退屈な授業を受けている教室に、青ざめた顔の教師が飛び込んでくる。
悪夢のような知らせは、私の心を粉々にするには十分だった。
後悔ばかりだ、私の人生なんて。
本当に大切なものは、失ってみないと分からない。
いつもの朝。
私はお弁当を持っていかなかった。
本当はパンなんて食べたくなかった。
“行ってきます”のキスを拒絶した。
ママをウザいと思ったことは、本当は一度もない。
病院で触れたママの亡骸は、まだ温かかった。
でも、もう二度といつもの朝はやって来ない。
話すことも、叱られることも、ママの笑顔を見ることも、二度と出来ない。
人の死を、初めて知った。
私に残ったのは、死にたくなる程の後悔だった。