その内、部屋の中は荒れて、日に日に汚くなった。
お風呂にも入らなくなって、頭も洗わなくなって、朝も起きられないせいで遅刻が増えた。
カレーライスも、作らなくなってしまった。
ジンがいなくなった世界は、退屈でつまらない。
そんな世界に、自分が存在している意味を見出だせない。
……本当に、ただの迷子なら良かったのに。
いつか帰ってくるかもしれない、
でも帰ってこないかもしれない。
期待したり、ヘコんだり。
待つということが、こんなにも辛いことなのだと
私は初めて知った。
広い部屋の中で、がらくたに囲まれて無気力に暮らしている。
そう、
ジンと出会う前は、それが私の普通だった。
元に戻っただけだ。
でも、元に戻らないこともあった。
心の檻に閉じ込めたままの、「スキ」の気持ち。
咲くことも出来ず、蕾のまま。
桜助にフラれて、その恋と決別した時には、こんな思いはしなかったのに。
ジンが好き、
それはシャボン玉のようにパチンと割れて消えてはくれない。
行き場のない愛情を、私はバカみたいに持て余している。