私の様子を、沢崎さんは物珍しそうに眺めている。
「仁が何者かも知らねぇんだろ?なのに、好きなの?」
「…ウッ…ウッ…グスッ……。」
「……川野サンって、変わった子だね。」
「…グス……ッ……。」
沢崎さんは、
「…仕方ねぇか。」
と、独り言みたいに呟いた。
「俺が忘れさせてあげようか?」
「え?」
顔を上げた瞬間、沢崎さんは私を押し倒した。
フローリングの床に仰向けで横たわる私の上に、沢崎さんは馬乗りになった。
「なにっ!?ッ!どいてっ!!」
足掻く私に不敵な笑みを向けた。
両手は抑えこまれて、身体の自由も奪われている。
直後、沢崎さんはしなやかな動きで制服のシャツのボタンを外し始めた。
「やめてーーっ!!」
抵抗も、拒絶も、出来ない。