いつもの朝だった。 マンションのエントランスから外へ出ると、新鮮でスッキリとした朝の匂いがしていた。 ふと、立ち並ぶ桜の木を見上げれば、いつの間にか殆どの花が散っている。 桜が散れば梅雨が来る。 それから、夏。 今年の夏は、ジンと花火でもしたいな。 私は爽やかな空気を全身に感じながら、 新しい一日へと踏み出した。 いつもの、朝だったんだ―……。