ジンは、ぼんやりしている事が増えた気がする。
何となく…だけど。
たぶん、それに関係してるのは沢崎さんで。
私が思うに、二人は知り合いで……。
分からない事は山のようにあったけど、
知りたい事はいくつもあったけど。
……それでも、ジンの言葉を待っていたかった。
構わない。
分からない事ばかりでも、ジンは変わらず私の目の前にいる。
今は、それでいい。
「ま、いっか。」、ってね。
「ツバサちゃん!」
「ん?なに?」
「カレーは辛口と甘口、どっちがスキ?」
「……いきなりだね。」
「どっち?」
「ん〜、甘口かなぁ。」
そう答えると、ジンは嬉しそうに身を乗り出す。
「マジで!?」
「え!?あ、うん。カレーの辛さって苦手で。子供が食べるみたいな、甘口がいい。」
「カレーに何かかける?」
「え?ん〜…、半熟の卵?」
「だよなっ!」
「な、なに、そのテンション……。」
ジンは嬉しそうで、楽しそうで、とにかくご機嫌で…。
私には訳が分からない。