ジンが自分の部屋へ引き上げた後、私は観念して全てを正直に話した。
ジンを拾った夜から今日までの……“ご主人サマとペット”のカンケイ。
観月さんは、私の話を黙って聞いていたが、その手はぎゅっとハンカチを握りしめていた。
観月さんとの付き合いは古く、
ママが生きていた頃から、私がまだ物心つく前から、ずいぶん世話を焼いてくれている。
ママが亡くなった時も、支えてくれたし。
堅物ではあるけど、涙もろくて温かい人だ。
私が何もかも話し終える頃、観月さんはやっぱり泣いていた。
「そんな……翼様が男性と同棲なんて…。」
「…いや、だからペットだって!」
「翼様!私、美空様に顔向けが出来ませんっ!」
ボロボロと涙を流す観月さん。
ちなみに、“美空様”というのは、亡くなった私のママのことだ。
そういえば、観月さんはママの葬儀の時も号泣してたっけ。
私以上に声を上げて泣いていた、だから逆に私は涙を堪えたんだよね。