深い緑色の長い廊下を、早足で歩いた。
階段を上って、踊り場まで辿り着いた所で、あたしはやっと一息つく。
壁に背中を預けて、ズルズルとしゃがみ込む。
不意打ちのキスが、精一杯の勇気でした事だと気づかれていないだろうか…。
何かのきっかけというか……突破口にならないか、
そう思ってキスまでしてみたけど、結局はまたフラれた。
でも、どうしよう。
ドキドキが止まらない。
自分の唇に触れてみる。
まるで、熱を持っているみたい。
― 「雨音は可愛い生徒。それ以上でも、それ以下でもなくね。」
これって、決定的だよね……。
先生の言葉を思い出しては、切なさが込み上げる。