保健室の扉が開くと同時。 振り返れば、制服を着た雨音 泉。 何ともバツが悪い。 校医が保健室で喫煙じゃ、そう言われても仕方がない。 雨音は、ベッドに腰かけると足を組んで、窓の向こうの花火を見つめる。 「夏祭りには?行ったの?」 「行ってない。 代わりに、ここに来たの。」 「ここ?」 「ここに来れば、先生に会えるでしょ。」 「…そう。」 素っ気ない返事をしても、雨音は俺を見て微笑む。