ざわざわと、風に流されて木々が揺れる。
無人駅のホームには、紅葉の葉が疎らに落ちていた。
廃れたラブホから、そう遠くない場所に駅があってよかった。
一時はどうなる事かと思ったが……。
「最初に服を買った時に、サングラスも買っておいて正解でしたね。」
「あぁ。」
二人揃ってサングラスをかけて、電車を待っていた。
車を失った今、人目に触れる機会が増える=捕まる可能性が一気に増したという事だ。
田舎の電車は、1時間に1本ペースらしい。
俺たちは、30分も待ちぼうけだった。
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