「…朔ちゃん……。」 「ん?」 「明かりが見えます……。」 「えっ?」 梨子が指し示す先、確かに滲んだ明かりが見える。 木々を掻き分けて近づくと、それは姿を現した。 山の中に不釣り合いとも思える派手なネオン。 ピンクと白、赤と白という奇抜な外壁の建物は、まるで…………。 「お城です!」 ……絶対言うと思った。 「……梨子、違うよ。」 「え?」 「あれは………。」 ………あれは、ラブホテルだ。