「あれってさぁ、最後の方になると、必ず飽きてんだよなぁ!」
モモはテンション高く、独り言なのか分からない口調で話している。
……あたしは、この時の自分の感情をよく思い出せない。
モモの声を聞きながら、ほとんど無意識だったのかもしれない。
「まるごと林檎って、考えてみると意外とガッツリ系だよな!」
「………好き。」
前を歩いていたモモは、立ち止まって振り返った。
「……あっ!あぁ!りんご飴?」
「モモ。」
モモが好き。
…………ん?
………あたし、今……。
「あぁぁぁ!!!」
「えっ!?」
突然、大声を上げるあたし。
固まるモモ。
「いや!いや!!ヤダ!!!」
「えっ!?えぇっ!!?」
後退りする、あたし。
テンパる、モモ。
「わ、忘れて!!何でもないからっ!!!」
あたしは、それはもう、アホみたいに慌てながら駆け出した。
後ろでモモが、エリー、と呼んだ。
だが、振り返れるはずもない。