あたしの視線に気づいたのか、モモがこちらへ顔を向けて目が合った。
モモは、いつもと変わらない笑顔で駆け寄ってくる。
「エリー!!」
……なんなの。…もう、ほっといてよ………。
あたしはモモを待たずに、それとは逆方向へ向かって歩きだす。
知らない。知らない。
……もう、知らない。
でも、後ろから走ってきたモモは、あたしの腕を掴んだ。
「なんだよー、ちょっと待てよ。」
「…………。」
「エリー?ってか、浴衣じゃん!」
モモは、まじまじとあたしを見つめる。
…っムカつく!
もう、あたしなんか、ほっとけばいいじゃん!!
「エリー。」
「……っなに?」
「すっげぇ可愛いぞ!」
なっ!!?
モモは、ニカっと笑う。
もう、ヤダ!!
あたしは、構わず歩きだす。
でも、モモはついてくる。
ムカつく!
ムカつく!
ムカつく!