瞼を上げて、立ち上がる。
あたしは、辺りを見渡した。
モモ…………?
木陰にひっそりと佇む、たこ焼きの夜店。
その店先に、モモはいた。
Tシャツにジーンズという、さっぱりした格好のモモを見つけて、自分の表情がぱぁっと希望に満ちていくのが分かる。
思わず、駆け出しそうになって一歩踏み出した。
でも、あたしはすぐに足を止めた。
モモの隣に、女の人がいる。
茶髪のショートカット、モモよりも年上に見える。
くっきりとした美人、活発そうな屈託ない笑顔。
……モモの好きな人…?
あたしは、二人から目が離せない。
逸らしたいのに、
見たくなんかないのに。
……あたし……完全に終わってんじゃん………。
…終わってんじゃん……。