大学に進学するとしたって、やりたい事も何も見えてないのに行く意味なんてあるのかな……。
……モモは、どうするんだろう。
芸人になりたいって言ってたけど………。
みんな、そうやって何かを見つけてるのに……なんか、あたしだけ取り残された気分だった。
「エリ!明日の夏祭り、二人で行こうねっ!」
「えっ?だって、立花くんは?」
「いいの、いいの。あんなバカ、もう知らないし!
浴衣着てさぁ、女二人で楽しもうよ!ねっ!ねっ!」
明日は、この町でもう何百年も前から続く夏祭り。
商店街が連なる大通りは歩行者天国になり、たくさんの夜店が立ち並ぶ。
夜には、花火も上がる。
「うん、じゃ行こっか。」
あたしは、笑って頷いた。