思えば、自分からモモに電話をした事も、メールをした事もない。






好きだ、とか思った途端に身動きがとれなくなるのはなぜだろう。




大体、モモには好きな人がいる。


…………これって、既にあたし終わってね?








「進路だってさぁ、エリの成績ならそれなりの大学行けるだろうし。
いいよなぁ〜。あ〜ぁ。
あたしも頭良く生まれたかった〜。」




美帆の言葉に、あたしは心の中で呟く。





あたしはアンタが羨ましい。







美帆は何だかんだ言いながらも彼氏がいて、それだけでもあたしから見れば勝ち組で。




進路にしたって、舞台関係の裏方スタッフになりたいという立派な夢を持つ美帆。








あたしには、何もない。




やりたい事も、


将来の夢も。







何度となく配布される進路希望のプリントを白紙のまま提出するあたしに、さすがの菊りんも渋い顔をする。