「進路にしたって、そうだよ…。
あたしは上京して専門学校に行きたい、あっちは地元の大学に進学したい。
……遠距離なんて、ぜったい無理!」
あっち、というのは、無論、立花くんの事。
「…エリは良いよねぇ〜。」
「へ?」
「恋の始まりって、実は1番楽しい時だったりするじゃん。」
あたしは、美帆にモモの事が好きだと話していた。
恋の始まりが1番楽しい?
付き合ってからが1番楽しいんじゃないの?
そう思ったけど、口にはしなかった。
正直、楽しいというより、悶々としている。
夏休みになってから、あたしはモモと一度も会っていなかったし、連絡を取ってもいない。
ダイエット大作戦は終了してしまった。
会うにも、連絡するにも、理由というか口実が必要だと思う。
でも、それがさっぱり思いつかないわけで…………。