「学級委員は大変だね。」
いかにも、自分には関係ない、という風な口調で言った美帆がいちいち感に触る。
隣の席で、とっくに弁当を食べ終えていたメガネに話しかけられた。
「蒼井さん、俺さきに行ってるよ。」
ボサボサの頭と、顎に生やしたヒゲ。
だらしない、とあたしは心で呟いた。
「うん。」
なぜ、こんな だらしない奴と学級委員なんてしなければならないのだろう。
たかが女子の出席番号1番が蒼井、男子が相沢というだけで。
不公平すぎる。
そのおかげで、あたしはチビから憎まれているんだから。
チビは、あたしとメガネがたった一言話したのを見逃していない。
あたしの視界の片隅で、チビが睨んでいるのが分かってしまう。