夜になってから、二組に分かれてお化け屋敷に入った。
お化け屋敷は廃病院をモチーフにした建物で、外観なんかは細部までこだわって作っているのか、完成されたリアリティーがあった。
美帆と立花くんが先に入る。
それから、あたしと志木くんが入った。
中は暗くて陰気で、いかにも、といった雰囲気がある。
先を歩く志木くんの後ろをついていく、あたし。
……こんなサンダル、履いてこなければよかった。
足の痛みは、もうピークを越えてしまったのか、正直立っているだけでも辛い。
若干、歩くペースが速い志木くんの後を追うのは大変で、あたしは酷く自分が惨めに思えてきた。
………泣きたくなった。
しかも、最悪な事に、あたしはお化け屋敷とかの類のものが大嫌いなのだ。
オカルトとか、ホラーとか。
なぜ、金払ってまで驚かされに行かなければならないのか、もうそこから意味が分からない。