迎えた日曜日。
俺は、駅前で志木と待ち合わせた。
エリーを含めた3人は現地集合になっている。
しかし………
あのアホ、すでに20分遅刻だ。
志木は、確かに“学校の王子様”なんて言われるだけあって端正で整った、線の細い顔をしている。
だが、難点があるとすれば寝起きの悪さだ。
全身が睡眠欲で出来てんじゃねぇ?ってくらい、昔っから授業中も構わず寝てるような奴だった。
……そのくせ、頭は良いからムカつくんだよなぁ。
普段、ぼーっとしてて何考えてんのか、よく分かんねぇ奴だったりする。
………エリーは、やっぱ面食いなのか?
考え事をして、暇を潰す俺。
蝉の声はうるせぇし、
暑ちぃし、
エリーは志木のヤローが好きだっつうし。
さらにムカつく事に志木が現れたのは、その10分後だった。
「よぉ。」
涼しい顔をして、志木は言った。
「…テメェ………。」
怒りを通り越し、もう呆れるしかなかった。