「その子のおかげで、夢まで見つけられた。」
「夢?」
「そっ!俺、芸人になりたいって。」
夢、か……。
モモって、そんな事考えてたんだ………。
「誰かにさ、聞いてもらいたかった。
好きな子できて、夢まで見つけちゃったよって。
……それで、HALUにメール読んでもらった時は、何かすげぇ感動したなぁ。」
あたしは、気になった事を聞いた。
「それで……その子どは、どうなっだの?」
「……3年間片思い。
しかも、めんどくせぇ事に現在進行中だったり。」
苦笑しているようなモモの声、あたしはなぜか切なくなった。
「自分の事、嫌いだからさ。」
「……誰が?」
「俺が。」
「誰を?」
「俺を。」
あたしには、モモの言っている意味が理解できない。
「なんで……だっで、モモはスタイル良いし、身体のバランス完璧だし、背だっで………。」
どうしてだか、あたしは必死になっていた。
モモは、電話越しにクスクスと笑う。