声が…………声がぁ!!
およそ7時間後、連続で歌わされ続けたあたしの声は見事にかれた。
「やり過ぎちゃったかなぁ。」
モモは苦笑する。
………やり過ぎちゃったかなぁ、じゃねぇよ!!
マイクを持ち続けた右腕もいい加減痛い。
「あっ!じゃあさ、ゲーセン寄ってこうよ!」
カラオケ店の向かいにあるゲームセンター。
すっかり夜になって、派手でバカげた明かりを放つその建物をモモは指差す。
……“あっ!じゃあさ、”って…その発想いったいどっから来るんだよ!
モモは、カラオケの余韻が残っているのかノリノリだ。
「プリクラ撮ろう!プリクラ!」
「やだ。」
「なんで?」
「じゃじん…うづり、悪いがら。」
ガラガラの声で答えるあたし。
しかし、抵抗も虚しくモモは言う。
「うん、気にすんな!」
一言で片付けるなよ……。