さっきまで生温かったはずの風は、少しひんやりとしていて気持ちがよかった。
彼氏いない歴=年齢のあたしにとって触れているモモの肩は未知だった。
骨張った感じとか、
硬さとか。
男の子って、こんなに自分と違う生き物なのか、とぼんやり思う。
そんな事を考えている時にモモに、エリー、と呼ばれてドキリとした。
「……なに…?」
「エリーの恋、叶うといいなぁ。」
恥ずかしげもなく、自然にモモは言ってのける。
でも、逆に恥ずかしいのはあたしだ。
照れくさく、むず痒く。
こういうストレートな言葉に、あたしは恐ろしい程慣れていない。