モモの意外とスパルタなダイエット大作戦初日。
スタートした公園に戻ってきた頃、あたしはすっかりヘロヘロだった。
荒い呼吸で、錆ついたベンチに倒れこむように座る。
わき腹が痛い上に、足は重い。
一足先に戻っていたモモは、そんなあたしに冷たいスポーツドリンクを差し出す。
「……ありがと。」
モモは隣に腰かけて、暗くなってきたなぁ、と呟く。
夕方の空は、もう日も沈んでしまって青紫色を浮かべている。
あたしは、モモから貰ったスポーツドリンクを喉へ流し込んだ。
心地いい冷たさが身体中に浸透していく気がした。
「なぁ、ちなみに聞いていい?」
「……なに?」
「エリーの好きな奴って誰?」
……何で躊躇いもなく、さらっとそういう事を聞けるんだろう。
けれど、ここで答えないのも不自然な気がして、仕方なく素直に答える。
「……学校の王子様。」
「あぁ、志木かぁ。」
モモは、笑った。
………っていうか、そこ笑うトコじゃなくない?