電車の車両の中を歩いていたモモは、こちらに顔を向けた。
酷く驚いた表情のモモは、1番近くの座席の窓を開けた。
本当に、そのまま行っちゃうんだ……。
モモは学ランのままだった。
「エリー!!」
モモは、窓から身を乗り出した。
もう、恥ずかしさも何もない。
何もいらない。
あたしは、叫んだ。
「モモー!!
っあたし…あたし、待たないから!!モモの事、待たないから!!」
心臓が熱い。
モモは、黙ってあたしの話を聞いている。
「……あたしはっ!追いつきたいから!!
あたしも、モモに負けないように!あたしだけの何かを見つけて追いつきたいから!!
モモの夢を!信じてる!!ずっと信じてる!!」
電車の発車ベルが鳴る。
モモは、顔を手で覆った。
泣かないつもりだったのに、あたしもやっぱり泣いていた。
ゆっくりと動きだす電車を、あたしは追った。