「……だったら、急いだ方がいいかも。」


「へ?」


「アイツ、確か13時52分発の電車に乗るって。」


「へ!?い、いま何時!?」


「…13時35分。」





なっ!!?嘘でしょ!?


なんで、そんなギリギリの電車なの!?






志木くんは、あたしの考えてる事が分かったのか

「あんなにダラダラとホームルームやってたの、うちのクラスだけだよ。
他のクラスは、とっくに終わったみたいだから。」

と、言った。








………あぁ!!もう!!

考えてるヒマなんてないっ!!!







「志木くん!ありがとう!!じゃっ!!」




駆け出したあたしの背中に志木くんは言った。



「いってらっしゃい。」






いつかの遊園地で、
あたしが駆け出した時も志木くんは同じ事を言ったっけ。








“いってらっしゃい”



感謝を胸に、あたしは走る。