「そんな事どうでもいいからさ、掃除やってくれる?」
冷めた目で言ったあたしに対して、どういうわけか百瀬は嬉しそうに笑った。
「やぁっと、まともに喋ってくれた!」
っコイツ!!!
「いい加減にしてよ!!!」
プールサイドで、あたしは百瀬を水が張られたプールに向かって突き飛ばした。
腹が立って、苛立って、
ムシャクシャして、
おまけにモヤモヤして、
そうせずにはいられなかったのだ。
しかし、突き飛ばしたあたしの手を、百瀬は掴んだ。
「ちょっと!!!」
プールに落ちる百瀬と、そんな百瀬に向かって落ちるあたし。
ほんの1秒、
もっと長く感じた。
今日は、きっとロクな日じゃない。
あたしは、プールに落ちる瞬間そう思った。