「モモ……。」
観覧車が、天辺を過ぎた。
「ん?」
「…あたし、決めたよ。」
「…………。」
「モモが夢を追うなら、あたしは…。」
そこまで言った時、モモが口を開いた。
「エリー、俺も決めたんだ。」
「え?」
モモは、ニッコリ笑って言った。
「もう、いいんだ。行かないから。」
………は?
「チャンスだって思ったけど、急ぐ必要ないじゃん?こっちでバイトして、金貯めてから、また機会があれば挑戦するよ。
考えてみれば、その方がずっと堅実な気がしてきてさ。
………だから、もう、心配しなくていい。エリーは悩まなくていいんだ。」
「……なに言って…。」
「…1番笑っててほしい人を困らせてまで、俺は行きたいと思わない。」