夜になり、あたし達は約束していた観覧車に乗る。
あたし達は向き合って座った。
それまで二人とも、何だか不思議なくらいハシャいでいたのに、
観覧車に乗った途端、会話が途切れ途切れになる。
でも、これっぽっちの気まずさもない。
「すげぇな…。」
モモが外に広がる夜空を眺めて、独り言のように呟いた。
さすがは、“星空観覧車”なんて呼ばれるだけはある。
濃紺の空に、点々と煌めく星達。
夜の海を、泳いでいるような錯覚さえしてしまいそうな程、美しい世界だった。
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