「ねぇ、ユウの夢って知ってる?」


「え…、知らない。」



ふっと、花波ちゃんは微笑んだ。





「宇宙飛行士!」


「…うちゅう…ひこうし?」




あたしは、まるで初めて口にする言葉のように繰り返した。






「途方もない夢でしょう?でも、ユウは本気なの。本気で目指しちゃってるの。だから、恋愛なんて考えられないって。」






志木くんが宇宙飛行士……意外すぎる………。








「でもね、あたし、かな〜り負けず嫌いなの。諦め悪いし、ね。
もう、こうなったら宇宙の果てまでついていってやろうと思って。」


「へ?」







宇宙の果てまで……?






「だけど、あたし実は、とてつもなくバカなのね?」

「と、とてつもなく?」


「そう!数学なんて、小学校の時の分数で躓いてるし。
だから、今は同じ大学に行くの目指して猛勉強中!
あたしの夢は……ユウなんだよね。」






志木くんも意外だけど、あっけらかんとスゴい事を言っている花波ちゃんも意外だ。