「でも、あたしは焦ってね。モモの奴、余計な事言ってって。」
「えっ?」
「おかげで、ユウはモテモテになっちゃって。」
花波ちゃんは、寂しそうに微笑んだ。
「……もしかして?」
「…あたしは、好きだったのー。
おかっぱで、何考えてるか分かんなくて、キモいって言われてたユウの事。」
……花波ちゃんが…志木くんを…。
「素っ気ないけど友達思いで、マイペースで天然なユウの事がね。」
花波ちゃんは言葉を続けた。
「……だけど、高校入ってすぐと、去年の夏。もう2回もフラれてるの。」
「えっ?」
思わず間抜けな声を出してしまって、慌てて口を閉じる。
あたしのリアクションに、花波ちゃんはやっぱりクスクスと笑った。