強引に、太一に引っ張りだされて、あたしは外へ飛びだした。
ほとんど毎日のように『ジロー』に顔を出すあたしに太一はすっかり懐いて、
ほとんど毎日のように河原へ虫取りに付き合わされる。
大人びてはいても、やっぱり小学3年生。
両親が共働きで忙しいうえに、一人っ子の太一。
遊び相手がほしいのだろう、とフジコさんが言っていた。
「さっさとしろよ!オバさん!!」
「オバっ!?」
……ったく生意気な…。
「そんなんだから、モモ兄ちゃんにフラれるんだよ。」
………んの、ガキ……。
「あのねぇ、フラれてないから!」
「ふ〜ん。どうでもいいけど。」
………どうでもいいのかよ。