たっぷりと時間をかけて、その一杯のスープを飲み干した。







泣くだけ泣いて呆然としていたあたしは、何もかも店主に話した。




どうしてだか、自分でも分からないけど、この人に聞いてほしいと思ったのだ。






店主は、あたしの話を黙って聞いていた。








全てを話し終えた後、一呼吸おいて店主は言った。






「いいねぇ、若いってのは。」


「え?」


「気が済むまで悩めばいいさ。
間違ったって、失敗したって、いいじゃないか。」


「…………。」


「アンタが本当に悩んでんのはボーイフレンドとの関係じゃなくて、何もない自分に、なんだろう?」