……でも…びっくりした…。
見た目は、よくある昔ながらのナポリタン。
小学校の給食で出ていたような感じの。
だけど、素晴らしくウマい!!
ただのナポリタンなのに、ただのナポリタンじゃない!!
あたしは、未だに半信半疑だ。
こんな置き去りにされたような店で、こんなに美味しい、それもナポリタン!!
嘘でしょう!!
驚いて、ナポリタンを見つめたままのあたし。
店主は、コトッと音をたて、白く丸い皿に注がれた黄金色のスープをテーブルに置いた。
「人が真心込めて作ったメシはウマいんだよ。
これは、サービスね。南瓜のポタージュだ。
熱いうちにね。」
店主は、いつの間にかサングラスを外して、それを頭に掛けていた。
「ありがとうございます…。」
あたしの口は、またお礼を言うが、それはもう気にならなかった。