「何やってんだよ!ほら、傘っ!」




モモが差し出す傘を、あたしは払う。


「いいよ……。」


「いいわけねぇだろ!」


「いらないから。」




あたしの言葉は、恐ろしく冷たく響いた。






「……やっぱ、エリー変だよ。どうした?」


「何でもない。」


「何でもないって……。」



モモは酷く悲しそうな顔で、あたしを見つめる。





沈黙が続いて、でも、それを破ったのはあたしだった。





「………どうして?」


「えっ?」


「…進路の話って……あたし、そんなの知らない。」


「……エリー…。」


「あたしには、できない話なんだ………。」





身勝手に言葉を発する口を止めたかった。




言いたくないのに。



こんな事、言いたくないのにっ!!