「分かった。じゃ、調理班に伝えとく。」
「うん、この分だと結構早いうちに完売になりそうだから、カレーのルーがなくなった時点で営業終了ね。」
「了解!」
チラシや校内放送、宣伝活動に駆けずり回った甲斐があった。
高校最後の文化祭、大変だったけど頑張って良かった。
学べる事も多かったし。
こうして立派に形になって、あたしは充実した疲労と満足感を感じている。
うん、こういうの悪くないな。
ホール担当のチビが客にメニューの説明をしている。
もともと、明るい性格のチビらしい笑顔。
チビの笑顔を教室で見たのなんて、久々だ。
メガネと別れた事を、チビなりに乗り越えたのかもしれない。
睨んだり、はっきり嫌味を言えちゃうチビは、やっぱり強い。
強くて逞しい、とあたしは思った。