教室に戻ると、『カレー食堂3の3』は有り難い事に大繁盛していた。
廊下まで行列ができている。
教室では、ホール担当も調理担当も慌ただしく働いていた。
あたしを見つけると、ホール担当の美帆は駆け寄ってきて小声で言った。
「エリ!ヤバい!」
「何かあった?」
「福神漬けとチーズが足りないって。
焼きチーズの注文ハンパなくてさ!」
あれだけ何度もクラスで話し合って、大体の、それでも多少の余裕をもって買った材料が足りないとは。
「それで、相沢くんが今チャリで買いに行ってくれてるんだけど…それまでに間に合うか……。」
あたしは、数秒考えて口を開く。
「…じゃあ、最悪間に合わなかったら、トッピング用のチーズで代用しよう。」
焼きチーズカレーのチーズと、トッピング用のチーズは別の物を使っている。
間に合わなければ、そうするしかないだろう。
大丈夫、あたしが落ち着かないと。
何にしたって、問題は付き物だ。
大丈夫、何とかなる。