文化祭当日。


未だに汗ばむ、秋晴れの日。





朝早くから登校して、クラス全員でカレー作り。



寸胴鍋を調理室から教室へ移す。








“『カレー食堂3の3』。

チキンとポーク、2種類のカレーに豊富なトッピングをご自由にどうぞ。

看板メニューは、絶品『焼きチーズカレー』!!”




そんな宣伝用チラシの束を片手に、あたしはそれぞれに任された作業をこなすクラスメート達を眺めている。





クラスで揃えた山吹色のTシャツには、左胸に『3ねん3くみ魂』とデザインされている。



その、今になって考えてみると恐ろしく滑稽なTシャツを着て、むせるようなカレーの匂いにあたしは眉をひそめた。