「う〜ん、そうだなぁ……あっ!そうだ。じゃあ、蒼井には今日の放課後プール掃除の罰を与えよう。
7月からは体育の授業で使うし、頑張ってやってくれよ。」
「…はい。」
あたしは、心にもない返事をして職員室を出た。
文化祭のミーティングを飛ばしてしまったけど、そんな事はもうどうでもよかった。
廊下を歩きながら少しずつ冷静になってきて、あたしはゾッとした。
チビと取っ組み合いのケンカをした、あの教室には志木くんもいたのだ。
学校の王子様のまえで、あたしは…………。
完璧に終わった…。
あー、もう、終わった。
酷い後悔が覆いかぶさって、もう溜め息だって出やしない。
しかも、放課後にプール掃除って……。
梅雨のジメジメとした空気、けれど空はバカバカしい程に晴れている。
煩わしい蒸し暑さ。