………立花くんに、束縛と嫉妬でうんざりする、と言われた美帆。
メガネと話しただけで、睨んだり、嫌味を言っていたチビ。
二人の気持ちが、初めて分かった気がした。
嫉妬する気持ちなんて分からなかったのに。
………それから、同時に怖くなった。
あたしは今、美帆やチビと同じような顔してるんだ。
嫉妬に溺れて、感情のコントロールが出来なくなった……酷く、可哀相な顔…。
歩いて、歩いて、横断歩道の赤信号で足を止めた。
軽く息が上がっている。
マンションとマンションの隙間から覗く夕闇の空。
隣に並んで信号待ちをしている女子高生が放つ、キツい香水の匂い。
泣きたい。
泣いてしまいたい。
でも、こんなところで泣くもんか。
バカじゃあるまいし。