モモを好きにさえならなかったら、あたしは気づかずにすんだのかもしれない。
嫉妬とか、ヤキモチとか、そういう面倒なものを知らずにすんだのかもしれない。
こんな汚くて行き場もない、救いようのない虚しい感情知りたくなかった。
自分の中に、そんなものがあるなんて知らない方がよかった。
外見だけじゃない、あたし……なんか、中身まで腐ってるみたいじゃん。
モモだって……ズルいよ…。
こんなに惚れさせておいて、こんなの……。
どうしようもなくイライラして、バカみたいに不機嫌で、悲しくて、悲しくて。
腹立たしさと自己嫌悪の塊だ。