燃えるような真っ赤な夕焼けが空を染める。







河原の道で、モモは自転車を停めた。




「太一!何やってんだぁー!?」



河原に向かって叫ぶモモ。




そこには、小学生……3年生くらいの男の子がいた。


虫とり網を持っている。





「モモ兄ちゃーん!トンボー!!」



男の子が答える。





………トンボ?




きょとんとしているあたしにモモは言った。




「あれ、近所のガキンチョ。ちょ、行ってくるわ。」


「あ、うん。」




あたしも自転車から降りる。






モモは、男の子に向かっていきながら言った。



「太一!トンボは手で取れるんだよ!」



男の子が、うそだぁ!、と叫ぶ。








あたしは、モモの後ろ姿を眺めながら自転車を停めた道と河原をつなぐ石段に座った。