「…え、だって、あたし夏祭りの時に見かけたよ。
仲良さそうだったけど………。」
「夏休みが終わる直前に別れたって。」
あたしは、信じられなかった。
メガネとチビが別れた……。
「何で…また……?」
美帆はサンドイッチを噛る。
「上京して大学に行きたい相沢くんと、地元の専門学校に行きたい瀬名さん。
……相沢くんがフったらしいよ。受験で余裕ないからって。」
言葉を失う、あたし。
構わず、美帆は話し続ける。
「ほら、だから瀬名さんって最近ちょっと変じゃん?」
………確かに。
あたしは、黙って頷く。
チビは2学期になってから、遅刻と早退が多い。
そういえば、一昨日なんて昼休みに突然教室で泣き出して、そのまま早退。
あたしがメガネと話していても、睨んできたり、ケンカ売ってきたりしなくなった。
美帆は、溜め息を零して呟いた。
「やっぱ、遠距離とかヤバいよね……ウチも他人事じゃないしぃ〜。」
………進路、か。