「じゃ、エリ。ミーティング頑張ってね〜。」
「うん、ありがと。」
そう言って、あたしは手を振る。
……今日も、また始まるよ。
美帆と立花くん、教室のカーテンの中に隠れて、平気でイチャイチャ劇場。
吐き気がする。
それでも、仕方なく食べかけのミルクパンをコーヒー牛乳で流し込んで、あたしは立ち上がった。
教室を出ようとして、チビの横を通り過ぎる。
「優等生ヅラして人の男に色目使うって、サイテーだし。」
わざと聞こえるように言ったんだろう。
はっきりと聞こえた。
あたしは、思わず足を止めた。
普段なら無視できるのに。
「自分のコト、鏡で見た事あんのかなぁ。チョイデブのくせに〜。」
あたしの頭の中は真っ白になった。
は?
色目ってなんだよ?
チョイデブって……このチビ、人が1番気にしてる事を…………。