大輪の花が、夜空に咲く。



それを鏡のように映す水面。






「……勝手に入って、よかったの?」


「鍵閉めねぇ水泳部が悪ィんだよ。」







モモが連れてきたのは、学校のプールだった。




あたし達は、いつかみたいに、並んでプールの縁に腰かけて花火を見上げていた。




「うぜぇ人込みもねぇし、花火はよく見えるし、最高の場所だろ?」


「……いつ見つけたの?」


「アネキも、うちの学校出ててさ、そん時の彼氏が水泳部で偶然見つけたんだと。
穴場だよなぁ!」






あたしは、裸足で水面を弄ぶ。


水は冷たくて、心地よかった。






「…俺らってさぁ、ここから始まったんだよなぁ。」




あたしは顔を上げて、モモの横顔を見つめた。







……今度こそ、フラれるんだろうか。