もがく俺の上で馬乗りになったままのヒメ。



「ヒメっ!ちょ、一回降り…。」


「カズキぃ?」


「あ゛?」


「カズキってさぁ、イチゴ好きだよね?」


「えっ?あぁ、うん。」


「そっか、そっか。」


何故か満足そうな顔をしているヒメ。



「何で?」


「聞いてみただけー!」



そう言ってヒメは、俺にそのまま抱きつく。


「カズキは甘い匂いがするから、食べちゃいたくなる。」


「なっ!!!??」



耳元で、そんなセリフを言われて体温が一気に上昇した気がした。




「ヒメ、まだ酔ってんじゃ」



俺の言葉は、そこで途切れる。





なぜなら、ヒメが俺の唇をぺろっと舐めたからだ。



固まる俺、ヒメは「美味し」と呟いて微笑んだ。







計算でやってんの?






それとも天然?








どちらにしても、オヒメサマは魔性だ。