「……浮…気………?」
「ヒィッ!!?」
ドスの効いた低い声のルイが立っていた。
「桜時………浮…気…?」
ルイに殴られたヒメ兄・チサトは、そのまま寝始めた。
そんな様子を見つめていたルイは、ゆっくりとヒメ兄・チサトに近づいて言った。
「そんなに……キス…がしたいなら……コレでもくわえとけよ!!!」
ルイは、テーブルの上に残っていた辛子明太子を一心不乱にヒメ兄・チサトの口に詰め始める。
「ふふふっ…えへへへっ……えへへへへ……。」
熟睡したヒメ兄・チサトの口に、不気味な笑みを浮かべて辛子明太子を詰める情念のマッシュルーム女。
素手で辛子明太子を掴んで握り潰すように突っ込み続ける。
その手は、赤い粒に塗れていた。
ある意味、一番恐ろしい。
ある意味、どんなホラー映画よりもコワイ…………。