血の気が引いた俺の肩を、後ろからトントンと叩く。


呆然としたまま振り返れば、目の前にはヒメ兄・チサト。





コイツも目が座っている……。







「…キミさぁ、カワイイ唇してるよね。」


「………へっ!!???」





そうだ……。

コイツ、キス魔じゃねぇか!!!






「最高に甘いキスをキミに贈るよ…。」


「ヒッ!!?」



ぞわっと一瞬のうちにトリハダがたった。




有無を言わせず近づいてくるヒメ兄・チサトのクチビル。






「やめろ!!!!」




そう俺が言った時、視界からヒメ兄・チサトが消え、鈍い音がした。




音の方を見ると、思いきり壁に激突しているヒメ兄・チサト。






そのままズルズルと壁にそって倒れた。