……完璧に…堕落している気がする………。
こたつって恐ろしい。
正月の間、せっかくのまとまった休日をこたつに潜ってだらだらと過ごしてしまった。
「チーくん、もっと足向こうにやってよぉ!」
「ヤダ。」
「邪魔〜!足伸ばしたい〜!」
俺は小さな溜め息を零した。
今日から仕事始めだ。
また忙しい日々が始まる。
ヒメとヒメ兄・チサトの会話に背を向けて、部屋の扉を開けた。
外へ出ようとした時、背後からとたとたと足音がしてヒメの細い腕が俺の肩に伸びた。
背伸びして耳元で「いってらっしゃい」と言って、ヒメは微笑んだ。
そんなヒメに、朝っぱらからときめいてしまう。
新年の迎え方は最悪だったけど、ヒメがいてくれるならこんな毎日でも有りかな、なんて思った。