止めに入った俺は、床に転がっていた500円玉貯金箱の亡骸に躓き、そのまま勢いよく二人に突っ込んだ。
テレビから聞こえる「Happy New Year」と共に目を開けた俺は、目の前に広がる悪夢にパニックになった。
「◇@#▼$&!!!」
何とか守ることができたらしいヒメのクチビル。
目を開けて、生け贄になっていたのは俺のクチビルだった。
「カズキが浮気したぁ〜!!うわぁ〜〜ん!!!」
ヒメの叫び声が響き渡る中、目を見開いて固まり続ける俺。
唇が離れ、座った目で俺を見つめるヒメ兄・チサト。
「タレ目…」と、ぽつりと呟いて、そのまま俺に覆いかぶさって寝る始末。
……俺の頬は、無意識に引きつっていた。