女子高生………酔っぱらい………と俺の脳が判断した頃、彼女は「ウッ!」と声にならない声を出して両手で口を覆った。
「なっ!?オイ、気持ち悪いのか!?」
俺の問いに答えない彼女は「ウーー…」と唸る。
シートからずり落ちて、車内の床に座り込んだ。
俺は血の気が引いた。
「オイ、待て!!電車ん中だぞ!!人の迷惑考えろ!!……確かに今は俺しかいないが…………いや!ダメだ!!」
「ウゥー……。」
「耐えろ!!もうすぐ次の駅だから!!」
「ウゥッ!!」
「飲め!!オイ!やめろぉ!!」
電車の中にゲ○ぶちまけるなんて冗談じゃねぇぞ!!
だが、彼女は既に臨戦態勢。
なんとか駅まで持ってくれ、という願いも虚しく「ウェッ!」という嫌な声を彼女は発した。
瞬間『来る!!』、と察知した俺は焦って条件反射で彼女の口に両手を差し出してしまっていた。
ヤバイと思った時には、もう手遅れ。